薬膳酒を作るとき、浸出させるベースとなるお酒にはさまざまな選択肢があります。日本酒、ワイン、ホワイトリカー、洋酒など、多彩なお酒が薬膳の世界を彩ります。
その中で、私が特によく使うのが 「焼酎」。なぜなら、私のモットーは「続けられること」。手軽に手に入り、無理なく日常に取り入れられることが大事だからです。
ところで皆さん、焼酎といえばどのように飲むイメージがありますか?ロック、水割り、お湯割り……これらが一般的な飲み方として知られていますよね。でも、実は焼酎にはまだ知られざる飲み方があります。それが 「熱燗」 です。
焼酎の熱燗って?
熱燗といえば日本酒が浮かぶ方が多いと思いますが、なんと焼酎も熱燗で飲まれているんです!特に鹿児島、宮崎、熊本などの「焼酎王国」では、昔から伝統的な飲み方として親しまれています。
焼酎を熱燗にすると、素材本来の香りがふんわりと広がり、焼酎ならではの味わいをさらに引き立ててくれるんだとか。お湯割りよりもまろやかで、ほっとする飲み心地が楽しめるそうです。
熱燗にする方法もいくつかあります。
- そのまま温める方法
- 加水してから温める方法
どちらもそれぞれ良さがありますが、特に加水してから温めると焼酎の味わいがよりまろやかになり、飲みやすくなるのが特徴です。
加水と割合で変わる楽しみ方
加水して焼酎を温める場合、水と焼酎の割合を変えることで、味の変化を楽しむことができます。たとえば、アルコール度数25度の焼酎なら 焼酎6:水4 が目安ですが、好みに合わせて 7:3 や 5:5 など自由に調整してみてください。ほんの少しの工夫で、自分だけの特別な一杯が完成します。
熱燗で簡単薬膳酒を楽しむ
普段、薬膳酒といえば、アルコールに素材を漬け込み、数か月間じっくりと素材の成分を抽出するのが一般的ですよね。でも、ちょっと待てない!という時には、熱燗しながら素材の成分を楽しむ方法もあります。
やり方はとても簡単。焼酎を熱燗する際に、黒豆や山査子(サンザシ)、なつめなど、食べられる素材を一緒に入れて温めるだけです。アルコールの熱で素材のエキスがじんわりと浸出し、数か月漬け込んだ薬膳酒とはまた違う、フレッシュな味わいが楽しめます。

私はこの方法で作るとき、2杯分をまとめて準備するのが定番です。そして、2杯目をいただくときは、自然の恵みに感謝しながら、残った素材も一緒に食べてしまいます。これぞ「食べる薬膳酒」。飲むだけではなく、素材そのものをいただくことで、さらに薬膳の力を実感できますよ。
素材の選び方はお好み次第ですが、特に食べられるものを選ぶのがポイント。焼酎の優しい熱が、素材の旨みをしっかり引き出してくれます。忙しい日々でも気軽に楽しめるので、ぜひ試してみてください。
焼酎熱燗×薬膳酒で癒しのひとときを
日々忙しく過ごしていると、「疲れた時に一手間かけるのはちょっと面倒…」と思うこともありますよね。でも、薬膳酒を作る時間は、自分を癒すための特別なひとときでもあります。
例えば、ほんのり温かい焼酎の熱燗をベースにした薬膳酒を、静かな夜に一杯。忙しい日常とはひと区切りつけて、「今だけは自分のための時間」と決めてみてはいかがでしょう?
薬膳酒は、体に寄り添うだけでなく、心も癒してくれるもの。お気に入りの器に注いで、その豊かな香りと味わいを楽しめば、自然と気持ちも穏やかになっていきます。一杯の晩酌が、心と体を整えるための特別な儀式のように感じられるかもしれません。
続けることで生まれる健康と喜び
薬膳酒作りの魅力は、「続けることで得られる健康と楽しさ」。焼酎の熱燗をベースにすれば、手軽さと奥深さを両立させることができます。
今日の一杯が、明日への元気をくれるものになりますように。そしてその一杯が、忙しい日々の中での安らぎの時間になりますように。
焼酎×薬膳酒の新しい楽しみ方、ぜひ試してみてください!
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